伊坂幸太郎 あるキング 読みました
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伊坂幸太郎の『あるキング』って知ってますか?
映画化された作品ばかり注目されて、影に隠れていたみたい。
私は完ぺきノーマークでした。
そもそも、こうして伊坂幸太郎作品を読むようになったのは、学生時代に
『チルドレン』って作品を図書館で借りたのがきっかけ。その頃は
無名だった伊坂さんも、原作が立て続けに映画化される売れっ子に
なってしまいました。というわけで、掘り出し物を見つけたという感覚で
読みました。『あるキング』。
勝ちにこだわることなく、存在することに意味があるとオーナーが言い張って
しまうようなプロ野球チーム、仙醍キングス。
そんなプロ野球チームの熱烈なファンである両親のもとに生まれた
山田王求(おうく)。将来キングスに求められる存在。名前に王がつかないのは
世の摂理としておかしいということで。
王求。
横に並べると『球』とも読めることで受ける迫害の心配も皆無である
親のチームへの思い入れったらなかった。阪神好きのダンカンとその嫁を
思い浮かべながら読みました。その嫁の方は見たことないけど。
そもそもダンカンって結婚してるんっだっけ?…ということは、さておき
読みながら、一人称二人称三人称と語り手が章ごとに変わるのが
非常にややこしかったです。ときたま黒い女性三人が登場したり、死んだはずの
人間が見えたりと、不思議な世界感でした。どうやらシェイクスピアの
マクベスってのをなぞってるみたい。序盤と結末の内容がかぶってるあたりが
伊坂さんっぽいなと。シェイクスピアと野球好きにはおススメか。
今度は何を読もうかな。