時代と移り変わりとともに休養の考え方も変わります。
寝ても疲れが取れない人、まずは本書で学びましょう。
目次
科学でわかった!疲労の正体
体を動かしたり、頭を使ったりすることで、本来の活動能力が下がった状態が
いわゆる「疲労」
疲労回復のためには、
栄養バランスの良い食事をとることが大事。
疲れを生み出すストレッサーは5つある
疲れの「もと」はストレス。
●物理的ストレッサー
→暑さ、寒さ、騒音、混雑、振動
●科学的ストレッサー
→公害、薬物、化学物質
●心理的ストレッサー
→不安、緊張、怒り、悲観
●生物学的ストレッサー
→細菌、感染、ダニ
●社会的ストレッサー
→家族関係、友人関係、人間関係
自律神経を知ることが疲労回復の近道になる
自律神経は、
24時間サイクルで私たちの体を、
その時間帯に最適な状態に自動的に調整する。
交感神経は、興奮・緊張
副交感神経は、リラックスの神経。
交感神経は、お昼ごろに最高潮になり、
副交感神経は、夕方から優位になり、
12時間交代で切り替わるようになっている。
しっかり休むには、夜、副交感神経が
優位である必要がある。
交感神経と副交感神経は
どちらも同じくらいのパワーがあるのが望ましく
どちらかが優位になりすぎないよう気を付けることが
大事。
疲れには4つのタイプがある
自分がどのタイプかを認識し、疲労予防のアプローチが重要。
【A】アクセルもブレーキもばっちりな「バランス良好タイプ」
交感神経も副交感神経も強い理想的なタイプ。
昼間はしっかり活動し、夜はしっかり休むことができるので
一時的に疲れることがあっても疲れをあまり持ち越さない。
今の生活を続けていて、まったく問題ない人たち
【B】ブレーキがききにくい「がんばりすぎタイプ」
交感神経は強いが、副交感神経が弱い
がんばりすぎなタイプ。
副交感神経も弱い=リラックスが下手
規則正しい生活をしたり、日が暮れてからは静かに過ごしたりして
副交感神経を高めることを心がけると、疲れがとれやすくなる。
体が寝るモードに入りたがる夜10時とか11時の運動や
寝る前に熱い風呂に入ったり熱いシャワーは
交感神経が刺激されて、なかなか寝付けなくなる原因となる。
運動は出勤前か、夕方。
入浴は寝る2〜3時間前でお湯もぬるめが良い。
【C】アクセルがききにくい「だらだらタイプ」
副交感神経が優位で、交感神経が弱いので
がんばりたくてもがんばれない
朝からだらだらして、エンジンがかかりにくいタイプ。
自分で意識してスピード感をもって動くようにしたり、
自ら計画を立てて、活動したりとアクセルを踏むことを心がける。
自発的に計画を立てて、自分が「これをやろう」と決めたことは
予定をこなすようにすると
交感神経がはたらくようになってくる。
太陽光も交感神経を刺激するので、
朝起きたら、カーテンを開けて日の光を浴びるのもよし。
【D】アクセルもブレーキもきかない「ぐったりタイプ」
交感神経が低くて副交感神経も低い
それほど活動していないのにすぐに疲れてしまい、
なかなか回復せず、疲れがずっとたまっている状態。
まずゆっくり休み、できるだけ規則正しいリズムで生活して、
交感神経と副交感神経の両方を高めることを目指す。
最高の「休養」をとる7つの戦略
日常のサイクルに「活力」を加えてみる
今の日本人は休養しても50%程度しか充電できていない。
①活動
②疲労
③休養
のサイクルに「活力」を加えて、満充電に近いところまでもっていく。
心身を鍛える「超回復理論」とは何か
あえて負荷をかけたトレーニングをすると、
その直後は疲れて体力が低下するが、
その後十分な休養をとることで、トレーニングする前より体力がつく
この「超回復理論」を取り入れること。
あえて自分に負荷をかけることで、基礎体力が徐々に上がってくる。
疲れたら、休みつつ、負荷をかけることで活力を高める。
活力を高める上手な負荷のかけ方がある
①自分で決めた負荷であること
②仕事とは関係ない負荷であること
③それに挑戦することで、自分が成長できるような負荷であること
④楽しむ余裕があること
守りの休養から攻めの休養へシフトしよう
土日は寝たり、だらだらしたりして過ごし、
月曜日になったらまたなんとなく活動に入る「守りの休養」に対して
より疲れがとれるように過ごしたり、
疲れにくい体づくりをしたりと活力を得ることに使う
「攻めの休養」に変えていく。
休養学が定義する「7つの休養モデル」
●生理的休養
→①休息タイプ
活動をいったん中止しエネルギーの消費を抑えてリラックス。
心と体を鎮静化する
「睡眠(昼寝を含む)」
「休憩をとる」
「ソファでゴロゴロする」
「机で仮眠する」
→②運動タイプ
老廃物の除去やリンパの流れをよくすることで疲労感を軽減する
あくまで軽微な運動に。
「ヨガ」
「ストレッチ」
「ウォーキング」
「入浴」
→③栄養タイプ
食べる量や回数を抑え、疲れた消化器系を休ませる
「胃腸にやさしい食事をとる」
「食事量を抑える」
「断食、ファスティングをする」
「白湯で体を温める」
●心理的休養
→④親交タイプ
社会や人と交流したり、自然や動物と触れ合ったりする
「家族や親しい人とハグをする」
「ペットと触れ合う」
「あいさつを交わす」「雑談をする」
「自然に触れる、森林浴」
→⑤娯楽タイプ
自分の趣味や嗜好を追求する。ちょっとした気分転換でも可
「音楽鑑賞や映画鑑賞」
「推し活」
「習いごとに打ち込む」
「本を読む」
→⑥造形・想像タイプ
何かに集中したり、好きなことに思いをめぐらせたりすることで
疲労感が軽減する
「絵を描いたり詩をつくったりする」
「日曜大工やDIYをする」
「時刻表や地図を見て空想する」
「瞑想する」
●社会的休養
→⑦転換タイプ
外部環境を変化させることで、気分をリセットする。
掃除でもよい
「洋服を着替える」
「部屋の模様替えをする」
「買い物や外食をする」
「旅行に行く」
以上の休養タイプを複合的におこなうことで
疲労回復効果が2倍にも3倍にもなる。
例)
スープを作る(造形・想像タイプ)
↓
スープをとることで体の中を温める(栄養タイプ)
↓
家族やお子さんと一緒に作る(親交タイプ)
↓
完成したスープを保温ジャーに入れて公園で飲む(転換タイプ)
※大事なのは、自分から主体的におこなうこと
新しい「休み方」を始めよう
仕事が一段落しなくても、まず休む。
新年のはじめにその年の長期休暇をいつとるか検討し、
先に休みを確保しておく。
疲労したから休むのではなく、
疲労しそうだから休んでおくことを意識。
予定される活動から逆算して
必要な活力を蓄えておく発想に切り替える。
疲れを無視して無理をするのではなく、
疲労をこまめに感知して
こまめに対策を打ち、疲れていないベストな状態で
仕事をするのが、社会人としての責任という
時代に移り変わっている。
感想
寝ても疲れが取れない故に
手にとった本書。
基礎体力が底辺である事実と、
必要なのは活力であることが
突きつけられた。
休養をとる7つの戦略において
自分には苦手なタイプの休養が存在するのも
正直なところ。
そんな中で、楽しむ余裕があることなど
条件付けされている点も納得。
なるほど、いいじゃないか。「攻めの休養」
長期休暇の計画立てて温泉でも行くか。