ネガティブな感情をどうにかしたい人向け。
目次
ごきげんの正体
ごきげんとは
「メンタルが安定していて、ブレない軸がある」という状態のこと。
自分の中にあるネガティブな感情や思考に気がついたら
蓋をするのではなく、心の声に耳を傾け
闇落ちする前にちゃんとケアをする。
内省と正しい対応を繰り返すことで、
感情に振り回されないメンタルを手に入れられる。
トップクラスにごきげんな人とは
「この人のために頑張りたい」という気持ちになる人
ポジティブ思考は心のドーピング
デリケートな感情を無視したり、
ポジティブ思考で上書きしようとすることは、
本心に蓋をしたり、自分に嘘をつくことにもなりかねない。
ポジティブ思考とは「脳汁」とも言える
気分の高揚や幸福感をもたらす、一種の自己暗示のようなもの
ポジティブ思考を常に保ち、成長できるのは、
ごく一部の精鋭だけ。
そう割り切った方が気持ちがラクになるし、自分らしくいられる。
ネガティブ思考とごきげんは両立できる
どんなに経験を積んだり、
成功してお金を手にしても、
不安やネガティブな感情・悩みから解放されることは、
一生ない。
ネガティブ感情や思考は、
人生を伴奏する相棒のようなもの。
大切なのは、
自分がネガティブに陥るパターンを把握し、
そこからメンタルを整える手段をどれだけ持っておくか。
悩みや失敗から自分の本音を知る
悩みこそ、自分の本質や本心、
欲求を知るためのヒントになる。
悩みの正しい活用方法は、
自分の本音を知り、できるだけ自分を磨耗させない解決方法を
見つけ、そしてブレないメンタルへ導くこと。
・人間が一日にできるジャッジには限界がある。自分のために有意義に使う
・批判に時間を割くより、自分がやりたいことや興味があることにエネルギーを注ぐ
・付き合う相手や状況によってキャラを変えることでメンタルが整うなら
どのキャラの自分も大切にする。ただし、自分に嘘のついた虚構キャラでないこと。
他、多数。
失敗を通して自分への理解が深まると
自分の操縦方法を1つ身につけられる
失敗から自分という乗り物の個性やクセ、扱い方を意識的に知ろうとする
姿勢を持っておく
結果、大きな失敗やメンタルのブレを回避できる。
「再起できないほどの致命傷になる前に失敗できてよかった!」
という気持ちも忘れずに持っておく。
ネガティブを飼いならそう
仕事が立て込んできて「面倒くさい」が発動し始めたら、
美味しいものを食べに行くことや、映画や演劇といったエンタメに
触れることを忙殺の山を抜けそうなタイミングに
あらかじめブッキングしておき
すかさずごほうびがあることを思い出し、自分で自分の期限をとる
嬉しかった出来事、落ち込んだことやムカついたこと、改善していきたい点を
スケジュール帳に簡単なメモ程度の日記につけると
体調や精神面で不調に陥りがちなタイミングが客観視でき
ネガティブの袋小路や不機嫌という落とし穴にもハマらなくて済み
自分の本質に気がつけた。
自分を下げる言葉を多用しない
「そこそこ」「身の丈に合った」という枕詞をつけて
自分のことを話したり考えたりしている場合、
現状に満足していないにもかかわらず、
自分で自分を納得させている可能性あり。
人生の選択に妥協して、後悔していることはないか
考えてみよう。
自分を下げる言葉や思考は、
失敗するのが怖いから本気を出さないとか、
できなかったときの言い訳をたくさん用意しておく、
というマイナスの行動を引き寄せがち
「初めての〇〇」を意図的に作る
知見がないという立場に身を置いて、まっさらな状態になれる場所を見つける
同じ職場に在籍している期間が長いと、
だいたいは高慢になってしまう。
新しい場所、新鮮な環境に自分を置くことで、
意識と習慣は変わります。
結果、今まででは気づいていなかった人生の可能性が広がることは、必ずある
嫉妬心は「好き」で上書きする
「才能ある人と比較して、自分は確かに劣っているだろう。
だからといってこの仕事を辞めるのか?」と問いかける
劣等感と優越感は表裏一体
成長するための起爆剤にはなるけど、
持ち続けるとドロドロの感情になってしまう。
一番の推しは「ごきげんな時の自分」
ネガティブを飼い慣らし、メンタルを管理することと同時におすすめしたいのは
「安定している状態の自分を好きになる」こと。
機嫌がいい状態の自分を応援するイメージ
自分が陥りたくないのはどんな状況なのか、いい状態を保てるのはどんな時なのか。
内面と対話して自分を把握し、
いいメンタルの状態が続くような日々の過ごし方を研究する。
そして好きなことや興味のあることに没入する。
没入することで初めて、本当の自分像が浮かび上がってくる
自分のことを俯瞰で見る視点は、自分に没頭したことのある人がもてるもので、
やりたいことに夢中になった先でしか得られない。
逆に体験しないまま俯瞰で見ようとすると、
自分の本質を見落としてしまうことになる。
「積極的なネガティブ」な仕事術
ポジティブ思考は油断になる
自分をポジティブに見積り過ぎた結果、
仕事人としての手持ちの武器(=得意分野)を磨くことを後回しにし
武器の耐用年数が過ぎたことに気づかず、感覚が時代遅れになって
自身の得意技がいつまでも通用すると思って、
別の新しい技を用意することを怠けてしまう
「努力しなくなる」という失敗をする
自分の手持ちの武器をちゃんと理解して磨き、
得意技を増やしていく作業と経験を積まないと、
40代以降に勝負できない人間になる。
過去のキャリアに油断しない
その時の成功の要因や自分の武器が今後も通用するとは限らないので
過去の仕事にしがみつくようなマインドを作りたくない。
導き出した「仕組み」や武器が、今の時代に合っているかを
チェックする視点は常に必要。
苦手から心を守るルールを作る
仕事上の理不尽な言動やシステムの言いなりになってしまうと
ひたすら心が摩耗してしまうことに気づく。
苦手なことが分かったら、
それを避け、自分が呼吸しやすい人間関係や職場環境を用意するしかない。
例)
朝までカラオケに付き合わせる人
合コンに誘ってくる人
キャバクラへ飲みに連れて行こうとする人
との付き合いを全部止める
空いた時間と労力は「チャンス」に使う
アイデアをメモする。
人生、チャンスが来てから準備していたら、間に合わない。
やりたいことがあるのなら、チャンスが来る前に虎視眈々と準備だけはしていたほうがいい。
周囲のニーズが自分を育てる
誰の手も借りずに完璧に仕事をこなせるまでの2〜3年は
頭と体をめいっぱい動かして、
目の前の求められている仕事に向き合う。
視野、経験値、得手不得手などを半ば強制的に認知できるから、
人間としても成長できるし、早い段階で成功できるようになる
自分の適性をあれこれ悩んでいるより
直感でもなんでもいいから、
一つ選んでその世界に飛び込んで没入した人の方が、途中の軌道修正は
あるにせよ最終的にはいきいきと仕事ができている
結局、5年後、10年後もニーズがある人、
仕事がうまく回っている人に共通するのは、
自分に何が求められているか?自分がどういうキャラクターだと思われているのか?
といった自分の属性やキャラクターをプロジェクトごとに理解し、
常に客観視しながら期待に応えられる人。
「中年の壁」を怖がらない
40代以降は新たに武器が増えることはほぼないから、
40代半ばまでに名刺代わりになる仕事を達成することを目指してほしい
さらに仕事上の武器となる得意分野を1〜2個は備えておこう。
これまでやれていたものが年齢を重ねたことでできなくなるため
経験で培ったもので補うことで形にすることが多くなる。
誰だって「中年の壁」にぶつかるもの
中年を救うのは「教養と人柄」
「教養がある人」「人柄の良い人」が生き残っていく。
脂が乗った状態で仕事上のセンスを発揮できる期間は、案外短い。
そのことを念頭に置けば、おのずと今、何をすべきかが見えてくる
年代別の「諦め方」で夢は叶う
自分だけの「なにもの」像を持つ
「なにもの」かになりたい、という声の大半の「なにもの」は
今すでに世に出て活躍している人、トップランナーのことを指しており、
「憧れ」と自分が目指す「理想像」を同一視して、
「自分は「なにもの」にもなれない」ともやもやしている人が多い。
自分だけの「なにもの」像を持つべき。
自分は何に対して幸せを感じるのか、
何を大事に生きていきたいのかを切実に考えた先に答えがあるはず。
自分が大事にしている軸は何なのかを知れば、
それをもとに仕事のスタンスや方向性を決められる。
憧れをいい意味で諦めて、周りや世間からどう評価されるのかも
いったん切り離して、
唯一無二の「なにもの」像を内省する
中堅になったら賢く諦める
自分の資質に合わない花形の夢を諦める。
王道や花形を葛藤なく、幸せに諦められたからこそ、
当時は想像していなかった別の形の夢が叶う場合がある。
美徳とされる「諦めない」ことに囚われて
負担に感じてしまう作業や、肌に合わない仕事に無理して向き合い続けた結果、
最終的には自分自身が摩耗してしまうこともある。
そこに時間を割くのはもったいないし、しんどい荷物を抱えたままだと
本当にやりたいことが見つかった時に、
十分な力を発揮できなくなる。
他人の声や世間の評価と一緒に
自分に合わないと思ったことはいったん手放し、脇においておく。
身軽になると、新しい何かに出会える
遠距離の夢より近距離の目標を持つ
若い頃に思い描く夢には限界がある。
自分が楽しんでできることと
苦手なことを見極めて、
近距離の目標を修正しながらクリアしていくと
異なる未来と出会える
40代からは「成功」の定義を改める
「夢は叶えたら勝ち・叶えられなかったら負け」という
二元論で人生を決める価値観がまだまだ根強くある。
キャリアの後半に足を踏み入れ、
未だ「自分はこんなはずじゃない」「本当はもっとデキる人間なのに」という思いが
くすぶっているのなら、自分が描いていた理想の自分とは何か、
追いかけていた夢とは何かを改めて見直す。
人生に勝者と敗者を作っているのは、あなた自身。
世の中の価値観は猛スピードで変わっている。
常に「自分にとってこの道は最善か」という見直し作業は必要。
現状と目標はこまめに見直す
高い目標、理想を設定するのは大切。
しかしいきなり高みにたどり着けないから、現実的な近距離の目標も
設定して、まずはここを着実にクリアしていく。
同時に「今」の自分の立場や状況、
気持ちにしっかり目を向けることも同じくらい大切。
常に本当の自分を理解して、自分がごきげんでいられる選択を重ねていく
でないと、夢や理想が叶っても満たされないままになってしまう。
なるべく社会や他人の価値観に振り回されない、
過去の自分の価値観にもしがみつかないでいることが大切。
「今」のあなたはどんな状態が一番楽しくて、
どんな環境なら気持ちが穏やかでニュートラルでいられるのか?
心の声に耳を傾けて、人生のアセスメント作業を自分のために
すること。
成功と失敗という二元論の間にある曖昧なグラデーションの部分に
ほとんどの人生がある。
そこが人としての情緒や面白さ、奥行きになる。
「ネガティブ沼」からの守り方
「孤独のメンテ」で整える
ネガティブ思考を完璧にコントロールできたらいいけど、
いつもうまくできるわけじゃない。
落ちそうになる傾向と、そうなった時の自分自身のケアする方法を
知っておくことが大切。
「小さな成功体験」を作る
趣味や得意なことを生かして、
自分の生活の中に小さな成功体験が作れると
きっと気持ちをホクホクさせておくことができる
例)料理
・短い時間で達成感を味わえる
・他人が確実に喜んでくれる
日常で最も手軽に得られる成功体験
心を救われたエンタメ作品たち
「ごきげん」が生きる力
自分自身のゲームプレイヤーになる
自分の感情を日記に吐き出し、自分の状態を知ることで
心の奥底に潜む感情を、客観的に見つめられるようになり、
最悪のメンタルコンディションからも抜け出すことができる
感情はただそのありようを観察する。
その上で今、できることをする。
たとえば仕事やプライベートで想定外の事態に遭遇した時、
「混乱したり動揺している」「腹立たしい」など
自分は今どういう状態で、
どんな感情を抱いているのかを観察する。
感情を受け止めきると、
「起こってしまったことは仕方がない。
少しでもベターな結果になるための行動をしよう」と、
現実的な対処方法へとマインドをシフトできるようになる。
自分自身を操作する感覚や俯瞰で見る視点を持っていると、
しんどいことがあった時でも、感情に飲まれにくくなり
自分をコントロールしやすくなる。
感想
一生付き合うことになるネガティブな感情をコントロールして
著者が思う「この人のために頑張りたい」という気持ちにさせる
「トップ・オブ・ごきげん」を目指す内容。
生きやすくなるし、
他人に嫌な印象を与えないから人間関係がスムーズだし
部下や上司からの信頼を勝ち取っている人も多い
とごきげんでいるのメリットを語る。
人気テレビプロデューサー佐久間宣行を知らない人から
したらこのおじさん誰って話になるけど、
知ってると、その人柄に裏打ちされた内容が網羅されている。
自分は著者のラジオを聴いているので
いつもラジオで話しているのはこう言った理由なのかと
答え合わせをするような感覚で読み進められる。
著者の半生が赤裸々に描かれているため
佐久間宣行という人間を深く知ることが出来
彼のラジオをもう一段楽しく聴けそうな領域に踏み込んだ気がする。
ずるい仕事術と内容が重複する部分もあるため、
セットで読むと理解が深まる。
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