ガリレオの苦悩 聖女の救済 レビューさせていただきます
東野圭吾さんは割と贔屓にさせていただいてます。
加賀恭一郎シリーズで魅了されました。しかしながら、同じシリーズものである
ガリレオシリーズには、『容疑者Xの献身』以外手をつけていなかったわけで。
そこで今回、『ガリレオの苦悩』と『聖女の救済』を読まさせていただきました。
■『ガリレオの苦悩』レビュー
本作は短編構成になっており、ガリレオこと湯川学が事件を解決に導いちゃう
わけですが、個人的には、ガリレオ先生の恩師である人物との話が、
容疑者Xの献身を彷彿とさせる人間ドラマがあり印象的でした。
しかしガリレオの苦悩と銘打っているわけだから、あのガリレオ先生が
頭を抱えて苦悩しちゃうんだろうなと思いきや、あまり苦悩している様子は
垣間見えなかった気がします。もうちょっと苦悩させてもよかったんじゃないか
と思いました。まあ一般人がわかるはずがない専門用語の散りばめられている
だけに、ガリレオ先生は相当頭のよい人なわけで、あまり苦悩する機会はないのかなと。
でも、そんな人だけに苦悩する姿が見たかったなぁ…とサディスティックなことを
思ってみたりする。
■『聖女の救済』レビュー
ガリレオの苦悩より、聖女の救済の方が苦悩してました。長編ですが、容疑者は特定できるが
完全なるアリバイがあり、そのトリックをめぐり関係各者苦悩してました。終盤そのトリックの
真相が明らかになりますが、こんなトリックを思いついちゃう東野圭吾さんこそ、
まさにガリレオなんじゃないかと思うほどのトリックでした。女性刑事、内海薫がipodで聴いて
いる曲が、福山雅治だったり遊び心も垣間見ました。個人的には、聖女の救済の方が好きでし
た。いやしかし、このような発想力、ぜひともほしいものです。
みなさんはどちらの作品がお好みでしょうか。