読書

「世界は思っているより悪くない」──『FACTFULNESS』で得た3つの気づき

 

Factfullness 20250822 01

 

あなたは最近、ニュースやSNSを見て

「世界はどんどん悪くなっている」と感じていませんか?

 

もしそうなら、あなたの思考は

知らず知らずのうちに“思い込み”に支配されているかもしれません。

 

本記事では、

ベストセラー書籍『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』を題材に、

私たちが陥りがちな「10の思い込み」と、

それを克服して世界を正しく見るための実践的なヒントを、

ビジネスパーソンの視点で解説します。

  

目次

 

ファクトフルネスとは何か?

 

『FACTFULNESS』とは、

スウェーデンの医師ハンス・ロスリングが提唱した

「データに基づいて世界を正しく見る習慣」です。

 

著者はこの本で、

「世界は思っているほど悪くない。むしろ改善され続けている」という事実を、

信頼性の高い統計データを用いて解説しています。

 

本書の目的は、私たちの思考に潜む“誤解のクセ”を見抜き、

正確な判断ができるようになることです。

 

世界を歪める「10の思い込み」とは

 

ロスリング氏は、私たちが世界を誤解する理由を、

以下の10の「思い込み(本能)」に分類しました。

 

本能 思い込みの内容 真実に近づく考え方
1 分断本能 世界は「豊かな国」と「貧しい国」の2つに分かれている 実際は多くの国が中間層であり、4つの生活レベルに分けられる
2 ネガティブ本能 世界はどんどん悪くなっている 多くの指標(寿命、貧困率など)は改善している
3 直線本能 すべての数字は直線的に増加・減少する 多くの現象はS字カーブや段階的に変化する
4 恐怖本能 危険なニュースに過剰反応する メディアは目立つ事件(テロ、災害)を強調しがち
5 過大視本能 目立つ事例を全体の傾向と誤解する 一部の例ではなく統計全体を見るべき
6 パターン化本能 パターンに当てはめすぎる 一見似たものでも背景は全く異なることが多い
7 宿命本能 貧しい国はずっと貧しいと思い込む 実際には多くの国が発展している
8 単純化本能 単純な原因・解決策を求めすぎる 現実は複雑で多面的、単一の答えでは不十分
9 犯人捜し本能 誰かのせいにしたくなる 問題の多くは構造的で、個人の責任ではない
10 焦り本能 今すぐ行動しないと手遅れと思いがち 落ち着いて、データに基づいて判断すべき

 

その中でも、特に印象的だった3つを紹介します。

 

特に陥りやすい3つの思い込み

 

1. 二極化のウソ:「先進国vs発展途上国」はもう古い

昔の世界地図で止まっていませんか?

 

実際には、

ほとんどの国が“中間層レベル”に達していて、

生活水準は着実に向上しています。

 

世界は「貧しい国」と「豊かな国」ではなく、

「4つの生活レベル」に分けるべきというのが

著者の視点です。

 

2. 世界は悪くなっているという誤解

 

紛争、災害、犯罪……

テレビやネットが流すのは“悪いニュース”ばかり。

 

でも実は、

世界の多くの指標(寿命、教育、医療など)は

劇的に良くなっているのです。

 

ネガティブに偏った情報に、

私たちは日々、騙されているかもしれません。

 

3. 単純化の罠:「原因はこれだけ」と言いたくなる本能

 

「すべての問題は〇〇のせいだ」

——そんなふうに考えたことはありませんか?

 

でも、現実はもっと複雑で多面的。

 

単純な答えを求めることで、

誤った判断をしてしまう危険性があるのです。

 

私が得た3つの気づき

 

1. 自分の常識が10年以上古かった

 

貧しい国=常に貧しいという思い込みは、

もはや事実ではありませんでした。

 

2. ネガティブ本能に振り回されていた

 

「世界は悪くなっている」と信じていたけれど、

実際はほとんどの数字が良くなっていることに驚きました。

 

3. 正しい情報にこそ安心がある

 

恐怖や感情よりも、データを見て判断した方が、

気持ちが落ち着くことに気づきました。

 

FACTFULNESSをどう仕事に活かす?

 

『FACTFULNESS』は、ただの教養本ではありません。

 

本著はビジネスの現場でも使える「考え方の武器」です。

 

たとえば…

 

•プレゼン資料:印象的な事例より全体傾向やデータ重視に

 

•上司や部下との会話:感情論ではなく冷静な事実ベースの説明ができる

 

•ニュースの読み方:ネガティブ情報に一喜一憂しないメンタル管理に

 

 

「データに基づいて判断する」というスタンスは、

信頼されるビジネスマンの基本です。

 

まとめ:思い込みから自由になろう

 

私たちは「世界は危機だ」と思い込んでいるかもしれません。

 

でも、それは単なる情報の偏りや本能のクセかもしれません。

 

『FACTFULNESS』を通して得られるのは、

「希望」ではなく「正確な現実」です。

 

そしてそれこそが、

不安の正体を見抜き、冷静に行動するための力になります。

 

『FACTFULNESS』をまだ読んでいない方へ

この本は、ビジネスパーソンにとって思考のリセットボタンになるはずです。

 

あなたの“世界の見え方”が変わります。

 


AdsenseSidebar

-読書