今を犠牲にしてお金を貯めようとしている人が読むべき本。
目次
- ルール1 「今しかできないこと」に投資する
- ルール2 一刻も早く経験に金を使う
- ルール3 ゼロで死ぬ
- ルール4 人生最後の日を意識する
- ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
- ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
- ルール7 やりたいことの「消費期限」を意識する
- ルール8 45〜60歳に資産を取り崩し始める
- ルール9 大胆にリスクを取る
- 感想
ルール1 「今しかできないこと」に投資する
私たちは喜びを先送りにし過ぎている。
手遅れになるまでやりたいことを我慢し、ただただ金を節約する。
今しかできないことに金を使う。
90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。
今それを我慢すれば、その分のお金はたまるだろう。
だが、十分なお金を得たときには、すでにそれができない年齢かもしれない。
過去に戻って時間を取り戻すことはできない。
金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンス。
自分が何をすれば幸せになるかを知り、
その経験に惜しまず金を使うこと。
人生の充実度を高めるのは、「そのときどきにふさわしい経験」
時間と金という限りある資源を、いつ、何使うか、
この重要な決断を下すことで、私たちは豊かな人生を送れるのである。
「節約人間」への警告
モノは買った瞬間の喜びは大きいが、
次第にその喜びは減っていく。
だが、経験から得る価値は時間の経過とともに高まっていく。
節約ばかりしていると、
そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。
その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。
人生は経験の合計だから。
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」
人生は経験の合計。
あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには
一生に一度の経験の合計によって決まる。
人は誰でも、常に思い出を通して人生の出来事を再体験できる。
経験をポイント化してみよう
各体験から得られる喜びをポイントで表現する。
最高に楽しい経験には多くのポイントを、
小さな喜びが味わえる体験には少しを与える。
どの経験にどれだけポイントを割り当てるかは
自分次第。
ある年の経験のポイントをすべて足せば、
その年の合計ポイントが得られる。
この数値は棒グラフで表せる。
数値が大きいほど棒は高くなる。
この方法で、これまでの人生の全ての年の合計ポイントを
棒グラフにしてみると、
他よりも高くなっている年と低くなっている年が出てくるはず。
「どの年齢で、どれくらい金を稼ぎ、どれくらい楽しい経験に
金を費やすか」に焦点を当て
自らの意思でグラフの棒の高さを変え、
人生の満足度を表す曲線の形を変えていけるようコントロールしていくこと。
思い出の配当はバカにできない
経験は私たちに、
尽きることのない「記憶の配当」を与えてくれる。
経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、
後で思い出せる記憶が得られる。
経験を増やすと、雪だるま式に幸せになれる
楽しかった旅行について友人に話したり、
自分一人で旅の回想にしたり、
一緒に旅した人と思い出話に耽ったり、
同じような旅行の計画を立てている誰かに
アドバイスをしたりできる。
元の経験から副次的に生まれる経験は、
まさに記憶の配当。
金を払って得られるのは、
その経験だけではない。
その経験が残りの人生でもたらす喜び、
つまり記憶の配当も含まれている。
経験の思い出を分かち合うとき、自分が経験したことを
誰かに話す。
その経験をネタにして笑い合い、
絆を深め、アドバイスする。
そのこと自体が経験になる。
記憶の配当によって絶えず積み重ねられていくポイントを
加えていけば、銀行預金が複利によって雪だるましきに増えていくように
元の棒グラフの高さを超えることだってある。
私たちは経験に投資すべき。
「老後の備え」より大切なこと
老後の備えは必要だが、
老後で何より価値が高まるのは思い出。
とにかく早い段階で経験に投資すべき。
年を重ねるほどに驚くほど多くのリターンが得られる。
ルール3 ゼロで死ぬ
スタバのコーヒーを毎日買っているあなたへ
毎朝、モカやラテ、フラペチーノ を買うために費やしている
年間数千ドルもの大金があれば、
数カ月ごとに国内旅行の飛行機の往復チケットくらいは
手に入れられる。
コーヒーを楽しみにしていると反論する人も
「航空券を何枚も買える金を使ってまで、
コーヒーの習慣を続けるべきか?」と自問し、
他にどんな経験ができるかを想像してみてほしい。
それでも納得できるならスターバックスに立ち寄って
ラテを買えば良い。
金と時間の使い方をよく考えて選択していくことは
人生のエネルギーを最大限に活用するための基本。
「金を稼ぎたい中毒」の末路
人生を存分に楽しむには、
無意識な自動運転をやめ、
自らの意思で思う方向に
操縦していかなければならない
金を稼ぐことだけに費やした年月は
二度と返ってこない。
莫大な時間を費やして働いても、
稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、
人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。
でも、仕事が好きだから問題
仕事に情熱を捧げる人であっても
「ゼロで死ぬ」を目指すべきであることに変わりはない。
どれだけ仕事を楽しんだとしても
稼いだ金を使わないのなら、それはやはり無駄になる。
どんな手段で得たものであれ、
金は活きた使い方をすべき。
老後のための貯蓄は、ほとんど使わずに終わる
遠い未来の年老いた自分のために、
必要以上に今の自分から経験を奪ってはいないだろうか。
必要以上に貯め込むことや
金を使うタイミングが遅すぎるのが問題。
70代にあっても人々は未来のために金を貯めようとしている。
現役時代に「老後のために貯蓄する」と言っていた人も、
いざ退職したらその金を十分に使っていない。
エイリアンの襲来に備えて貯金するバカはいない
老後の医療費のために今から莫大な資産をつくろうとするのは
エイリアンの襲来に備えるようなもの。
高額な終末医療に備えて貯金をするのは
大多数の人にとって現実的ではない。
最後の数日、数カ月、生き延びるのに必要な医療費を貯めるために、
人生の貴重な数年間を犠牲にしてまで働きたいと思うだろうか?
今の生活の質を犠牲にしてまで、
老後に備えすぎるのは、大きな間違い。
ルール4 人生最後の日を意識する
寿命を予測したことはあるか?
自分があとどれくらい生きるかを
真面目に考えてみることには価値がある。
慎重はの人は150歳まで
生きるかのような過度な貯金をしてしまう。
「長寿リスク」への正しい備え方
私たちの寿命の両端には、
早く死にすぎて金を無駄にしてしまうリスクと、
長く生きすぎて金が足りなくなるリスクがある。
このリスクへの対処策は2つ。
前者は生命保険
後者は長寿年金。
生命保険は加入者が早死にするリスクから「家族」を守るためのものだが、
長寿年金は長生きし過ぎて資産を使い果たしてしまうリスクから
「加入者本人」を守るためのもの。
貯蓄より長寿年金をすすめる理由
60歳時点で50万ドルの長寿年金を購入したとする。
50万ドルはこの時点ですべて保険会社が所有することになる。
その見返りとして、残りの人生の月々の支払いが保証される
(例えば、毎月2400ドル)。
これが長寿年金の仕組み。
死ぬ前に資産が尽きないようにしながら、生きているうちに
金を使い切る方法はある。
長寿リスクにどれくらい備えるかは、「リスク許容度」による。
リスクに対する許容度が低い(死ぬ前に金がなくなることが
わずかでも受け入れられない)人は、長寿年金を購入したり、
予備の金を十分に貯めたりすれば良い。
リスク許容度を考えて備える場合と、
単に闇雲な恐怖にかられて備える場合とでは、
とてつもなく大きな違いが生まれる。
恐怖の奴隷として何年も働き続けなければならなくなる。
「富」の最大化から「人生」の最大化へ
私たちの問題は、
「できる限り人生を充実させるにはどうすればよいか」
富の最大化ではなく、
人生の喜びを最大化するための方法を探すこと。
人生が変わる「死」のカウントダウンアプリ
私たちは、死から目を背けることで人生を最適化できていない。
人生の残り時間を意識しよう。
自分の推定死亡日までの日数(年数、月数、週数など)をカウントダウンする
「Final Countdown(ファイナル・カウントダウン)※」というアプリを使っている。
※(日本でもダウンロード可、類似アプリ有)
人生の残り時間の少なさがわかる数字を日常的に
目にするようになって考えや行動が変わる。
「ゼロで死ぬ」とは、金だけの問題ではない。
それは、時間の問題でもある。
限られた時間とエネルギーをどう使うべきかを
真剣に考えることが
人生を最大限に豊かにすることにつながる。
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
死んでから与えるのは、遅すぎる
ゼロで死ぬことについて話すたびに
子どもの話は避けられない。
子どもたちに与えるべき金を取り分けた後の、
残りの「自分のための金」を生きているうちにうまく使い切るべき。
子どもたちには、
受け取った財産を最大限に活用できるタイミングを
考えてあげるべき。
死後にもらうと、うれしさ半減、価値は激減
受け取る側が一番金を必要としているタイミングで
それを手にするには、かなりの運が必要。
たいていの場合、相続のタイミングが遅過ぎて、
相続人は値打ちのある金の使い方ができない。
いつ、誰に、いくら与えるかを今すぐ考えよう
生きているうちに自分の金を意図的
かつ有意義に使うべきであるのと同じように、
子どもたちにも意図的かつ
有意義な形で金を与えたほうがいい。
子どもが大切ならば、
生きているうちにそれを態度で示すべき。
金の価値を最大化できる年齢は「26〜35歳」
譲り受けた財産から価値や喜びを引き出す能力は、
年齢とともに低下する。
金を楽しい経験に変えるあなたの能力が、
老化とともに衰えていくのと同じ。
何かを楽しむには最大限の健康が必要になる。
親が財産を分け与えるのは、
子どもが26〜35歳のときが最善。
子どもにもっとも効果的な形で財産を分け与えたいのなら、
額の多寡だけではなく、
できる限り最適なタイミングを考えるべき。
親と過ごす時間が子に与える驚くべき効果
幼少期に親から十分な愛情を注がれた人は、
成人後も他人と良い関係を築け、
薬物中毒になったりうつ病を発症したりする割合が低くなる。
親から人生を学ぶこと、
あるいは単に一緒に過ごす時間も経験に含まれる。
これらは、子どもの成長には必要不可欠。
親から子に与えられた愛情や時間は、
ときとして驚くべき形で報われる。
子どもとの経験か?仕事か?
「金を稼ぐこと」と「大切な人との経験」を
トレードオフの関係として定量的にとらえ、
自分の時間を最適化すること。
子どもと過ごす経験の価値を定量化することは、
子どものために本当にすべきことは何かを、
立ち止まって考える良い機会となる。
金を稼いでいても、一緒に時間を過ごせず、
経験も共有できないのなら、
それはむしろこどもに大切なものを与えているのではなく、
奪っていることになる。
子どもの人生を豊かにするのも「金」ではなく
一緒に過ごした「経験」
死後の寄付は非効率すぎる
教育関連の事前団体に寄付する意図があるなら、
さらに自分が資産を増やしてからするのは非効率。
チャリティは待ってくれない
慈善事業が取り組んでいる問題は「今」起きている。
解決するのに相応しいのは将来ではない。今なのだ。
寄付する計画があるのなら、生きているうちに行動に
移すべき。
寄付は早ければ早ければ早いほど良い。
チャリティは待ってくれない。
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
支出と貯蓄のバランスを最適化せよ
年と取ったら子育てや仕事で簡単にできなくなるため
若い時に一生に一度の経験となるような旅行はリスクを取ってでもすべき。
収入が増え続けるとわかっているなら、
今しかできない経験(価値のあるものだけ)への支出と、
将来のための貯蓄の適切なバランスを適切に取ることが重要。
「収入の○割を貯金する」をやめる
支出と貯蓄のバランスが
人生のステージに応じて変化していく。
ファイナンスの専門家は、年齢やそのときの経済的な状況にかかわらず、
給料の一定額(たとえば「1割」や「2割」)を貯蓄することをすすめるが、
貯蓄を回すべき割合は、
20代、30代、40代、50代と年齢によって
変えていくべき。
人生の残り時間によって、今を楽しむことと将来に備えることとの
バランスを最適化していこう。
健康は金より重い
健康上の問題は年齢が上がるにつれて大きな制約になり、
高齢者では最大の制約になる。
旅行を楽しむには、時間と金、そして何より健康が必要。
年を取り、時間と金が旅を妨げなくなったときには、
今度は健康の問題に直面する。
体力は年々衰えていく。
あなたの体は、間違いなく、衰えていく
昔の感覚を引きずり、今の自分の体力をうまく把握できていない人は多い。
その感覚のズレが、老後もいくつになっても若い頃と同じようなことが
できるという思い込みにつながっている。
さまざまな機能や期間は、年齢と共に、それぞれ異なる速度や
曲線を描きながらその働くを弱めていく。
体力の低下は個人の心がけ次第で、ある程度まで遅らせることが
できる。
健康状態が良ければ、その年齢での経験を
より充実したものにできる。
一生を通じて健康を維持するほど、人生の充実度を上げられる。
金の価値は加齢とともに低下する
まだ健康で体力があるうちに、金を使ったほうがいい。
金から価値を引き出す能力は、年齢とともに低下していく。
能力が高いときにたくさんの金を使うことは理にかなっている。
経験から価値を引き出しやすい年代に、貯蓄をおさえて金を多めに使う。
支出と貯蓄のバランスを人生全体の視点で調整していくべき。
経験を最大限楽しめる真の黄金期は、
一般的な定年の年齢よりもっと前に来る。
「金」「健康」「時間」のバランスが人生の満足度を高める
人生の満足度を上げるコツは
金ではなく、健康と時間を重視すること。
若いときは、もっと自由な時間を大切にすべき。
中年の人は、余裕があるなら、もっと積極的に金で
時間を買うべき。
若い頃に健康に投資した人ほど得をする
若い頃に健康に投資するほうが、人生全体の充実度は高まる。
食生活に気をつけ、筋肉を鍛えておけば、
できるだけ長く健康を保て、経験も楽しめる。
70代になっても、老人向けのスポーツだけでなく、
スキーやテニスも楽しめ、
スリムな体型を維持し、階段を上り下りする、椅子から立ち上がる。
食料品の袋を運ぶなどの日常的動作も快適になる。
今あなたが、観光する、スノーボードを楽しむ、幼い子どもたちと遊ぶ、
といった活動でどれくらい早く身体が疲れるかは、
その日をどれくらい楽しめるかに大きく影響する。
これから先の人生で、その積み重ねがどれほどの違いになるのかを
考えるべき。
健康の向上で得られるメリットは、良い老後を過ごせるだけではない。
健康への投資は、今、このときから味わうあらゆる経験にかかわってくる。
中年期には、金で時間を買いなさい
あなたが時給40ドルで働いているとして
毎週、1週間分の洗濯物を洗濯機にかえ、乾かしてたたむのに
2時間近くかけているとしたら、
高性能の設備を整えたり、
洗濯専門サービスに外注し、
浮いた2時間を洗濯するよりも楽しい経験に使えば良い。
時間は金よりもはるかに希少で有限。
時間をつくるために金を払う人は、
収入に関係なく、人生の満足度を高めることが
わかっている。
金を払って面倒な雑事から
自分を解放するということは、
マイナスの人生経験を減らし、
プラスの人生経験(それをするための時間を手にいれたので)を
増やすことになる。
これで幸福感が増さないはずがない。
ルール7 やりたいことの「消費期限」を意識する
いつまでも子ども用プールで遊べると思うな
私たちが思っているほど、先延ばしできない経験は多い。
にもかかわらず、
いくつになっても幼児用や子ども用のプールで遊び続けられると
思っているようにそれを自覚していない。
喜びを先延ばしにし過ぎた後悔は、
人生の終わりに一度だけ味わうわけではない。
長い人生のなかで、何度も繰り返し頭に浮かんでくる。
高校生活で楽しい経験には目もくれず勉強に明け暮れたティーンエイジャー、
子どもとのかけがえのない時間を逃してまで仕事を優先させた父親も
一生、後悔し続けることになる。
何かを経験するチャンスがなくなる直前になって、
ようやく自らの過ちを悟ることもある。
子どもが巣立つ準備をしているとき、
初めて「もっと一緒に時間を過ごせばよかった」と後悔する。
一番の悲劇は
死ぬ間際まで機会を逃したことへの後悔の念を抱かずに生きること。
死ぬ前に後悔することトップ2
考えや行動を変える時間が残されている人にとって、
死の床にある人たちの後悔の念が役に立つことがある。
長年数多くの患者を看取ってきた介護者が余命数週間の患者たちに
ヒヤリングした結果、
最大の後悔は「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」
2番目は、「働き過ぎなければよかった」
自分の夢を実現できなかったことに多くの人が後悔している。
自分の心の声に耳を傾けず、誰かに用意された人生を生きていると
人生の最後に大きな後悔を抱くのかもしれない。
「いずれ失われること」に目を向ける効用
もうじき失われてしまう何かについて考えると、
人の幸福度は高まることがある。
大学生を対象として
30日後にキャンパスから遠く離れた場所へ引っ越す想定で、
今後の30日間の行動を計画させたグループと、そうでないグループとでは
前者グループの幸福度が上がる実験結果が存在する。
人は終わりを意識すると、
その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まる。
「タイムバケット」で後悔しない人生をつくる
「自分は残りの人生で何をしたいのか」を、
大まかな時間的枠組みのなかでとらえることができる。
現在をスタート地点にして
予測される人生最後の日をゴール地点とし、
5年から10年の間隔で区切る。
5年区切りなら「25から29歳」
10年区切りなら「30から39歳」
この期間を「タイムバケット」(時間のバケツ)と称し
金のことを気にせずやりたいことを洗い出した上で
実現したい時期のバケツに入れていく。
「死ぬまでやりたいことリスト」に期間を設定すると
物事にはそれを行うための相応しい時期がある
事実が見えてくる。
ルール8 45〜60歳に資産を取り崩し始める
資産を”減らす”タイミングを決めよう
喜びに投資するタイミングを逃さないようにするには
資産を切り崩すタイミングを見極めること。
すべての資産(自宅、現金、株券、貴重な野球カードのコレクションまで)から
負債(学資ローン、住宅ローン、自動車ローン)を差し引いたものが
純資産となる。
年齢とともに純資産が増加する傾向にあるが
人生を最大限に充実させるためには、
純資産を「減らすポイント」を明確につくる。
ゼロで死ぬことを目指すなら、
純資産は人生のある時点から減り始めなければならない。
そうしなければ金が無駄になる。
価値ある経験を逃していることになる。
私たちは人生のある段階で、まだ経験から多くの楽しみを
引き出せる体力があるうちに、
純資産を取り崩していくべき。
老後に必要な金を確認する「魔法の計算式」
死ぬまでに必要な金=(1年間の生活費)× (人生の残りの年数)×0.7
0.7は
株式や債権を保有していた場合、
人生の残りの年数発生する利益分の調整。
最低限の生活費は確保したので、
のたれ死にはしないという安心感を得ることで
資産のピークを「金の額」ではなく
「時期」として考えられるようになる。
資産のピークは「金額」ではなく「時期」で決める
死ぬまでに必要な最低限の金を手にしたら
人生を充実させるという目標に向かい
資産のピークをいつにするかを考えられるようになる。
ピークは「時期」で決める。
(単なる年齢ではなく、健康状態を表す「生物学的年齢に基づく)
金額で決めると目標を先送りにして、人生を充実させる経験をする
貴重な機会を逃してしまう。
資産を減らすポイントは45〜60歳
人生を最適化するよう金を使う場合、
大半の人は45〜60歳の間に資産がピークに達する。
これまで一般的に推奨されてきたものよりも、はるかに早い段階から
資産を取り崩し始めるべき。
62歳や65歳になるまで資産を手に入れなければ
決して使いきれない金を稼ぐために働き続けることになる。
活用できない金のためい貴重な時間を仕事に費やすのは、残念なこと。
あなたが考えているより、老後に金はかからない
体力が低下するため、経験に金を使う機会が減るから
支出は中年期より高齢期の方が少なくなる。
体力がなくてもできる活動には、金がかかるオペラ鑑賞などあるが
年に何十回もオペラ鑑賞する人間は少ない。
高齢になると金を使う機会が自ずと減っていくから
老後のために過度に貯蓄をするのではなく、
金をもっと早い段階で有効に活用することを計画すべき。
さあ、老後を待たずに金を使い始めよう
シミュレーションに基づき、
残りの人生を生き延びるために十分な金がいくらかを計算し、
その額を確保できたら積極的に金を使い始めよう。
資産を取り崩すタイミングで、やりたいことを見直すこと。
中年になると、
自分が大好きだったことを忘れ、
仕事や子育てに忙しく
新しい興味や趣味を見つけられない人が多くなる。
膨大な自由時間で何をするか漠然としたイメージしか持てないまま
リタイア生活を始め、目的がない日々が続くと
最悪の場合、強い不安や抑うつに繋がることもある。
退職したり勤務時間を減らしたりする前に
「自由時間が増えたときに、自分がいったい何がしたいのか」よく考え
やりたいことを書き出し、タイムバケットを使って
いつそれを実現させたいかを整理すること
ルール9 大胆にリスクを取る
リスクを取らないリスク
デメリットが極めて小さく(あるいは、失うものが何もなく)、
メリットが極めて大きい場合、大胆な行動を取らないほうが
リスクとなる。
このとき、大胆な行動を取らなければ、
心理的に悪影響を生じる。
「もしあのとき思い切って行動に移していたら」
と一生後悔し続ける
全力で取り組んだのなら、
結果がどうであれ、その経験から多くの良い思い出も得られる。
大胆な行動は、将来の幸福度を高めるという意味での投資になり
人生を豊かにする。
夢に挑戦すべきか迷ったら
あなたが20代前半なら、夢に挑戦してみるべき。
年を取ると、失うものは増える。成功して得られるものも少なくなる。
デメリットに目を向けすぎて
リスクを簡単にとれる時期を生かし切れていない人は多い。
目の前のチャンスのリスクは小さく、
成功した時の報酬が莫大であることにも気付けない。
悲惨な失敗のことばかりを考えているので
成功して得られるものが見えにくくなっている。
大切なのは、簡単な道を選ぶことではなく
あなたにとって最善の道を選ぶこと。
本当にやりたいことを探したいのなら、リスクを取る時が
あってもいい。
住む場所を変える不安を乗り越える方法
人は移住や旅行などの場面でも
大胆な行動を避けようとする。
遠く離れた土地に移り住めば
大きなチャンスが得られるような状況にあっても
「知り合いがいない」
「母親の近くにいたい」といった理由で
尻込みしてしまう。
しかし人は身近にあるものはいつでも手が届くと考えがちで
その気になれば会える大切な人とも
実のところ頻繁に会わないし、
遠方から地元に戻るための交通費と
移住すれば得られるチャンスと比べれば、ごくわずかな額に
すぎないかもしれない。
移住によってさまざまな体験ができることも加味して考えるべき。
リスクを恐れるあなたへ
大胆に行動をするための3つのポイント
1.リスクを取るのは人生の早い段階が良い
2.行動を取らないことへのリスクを過小評価するべきではない
3.「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべき
大胆な行動を想像するとすぐに不安に覚えてしまう人は、
まずは考え得る最悪のシナリオを頭に浮かべてみる。
その最悪なシナリオを乗り越えるための
あらゆる安全策を検討する
例)失業保険、家族からの支援、民間保険など
若くない人でも大胆になるべきときは、
苦労して稼いだ金をいつ使うかを判断するとき。
一番恐れるべきは、
「80歳になった時に潤沢な資産があるか」ではなく
人生と時間を無駄にしてしまうこと。
感想
経済的自由を経て
早期リタイアを目論む
昨今の時代の風潮とは相反する内容に
半信半疑ながらも
金を貯めることを優先して
今しかできないことを犠牲にしていることは
身につまされる思い。
流石に貯蓄ゼロで死ぬことは現実的ではないと
感じながらも、経験が人生を豊かにする部分は
全力で同意。
断捨離して物への執着がなくなった
自分にとって、
今後の生き方に100%影響を受ける良書だった。
さて、何から人生豊かにしようかな。